お久しぶりです。暑さも和らぎ、過ごしやすい季節になりました。何か月ぶりの更新だよって感じですが、お許しください。佐々木信綱です。こんなに更新が遅くなったのには理由がありまして(言い訳)、実はこの夏ドイツへ行ってました。それの準備やらで色々と忙しく、更新が出来なかったというわけなのです。しかし、そうは言っても、自分は一端の史学研究会に所属する学生です。たとえ、専門が日本史であったとしても、海外へ行くとならば、現地の歴史的遺産や博物館・城へ行かずにはいられません。というわけで、今回は少し趣向を変えて、歴史好きがドイツへ旅行へ行くとしたらどうなるか、行く上での注意点を書き記していきたいと思います。
さて、早速脱線しますが、ヨーロッパではかなりキャッシュレス化が進んでいます。新幹線のチケットなども、後述するアプリから簡単に買うことができます。だからこそ、ヨーロッパへ旅行へ行くなら絶対にクレジットカードは用意しましょう。個人的にはvisaがおすすめ。JCBは使えるところが少ないので、やめた方がいいです。そして、クレジットカードが届いたからと言って、そこで満足してはいけません。必ず日本にいる間に、クレジットカードの利用枠は引き上げておきましょう。海外だと日本の携帯電話番号が使えません。上限の引き上げの際に、日本の携帯電話番号を用いる場合があるからです。自分は海外に着いてから申請しようとしたところ、申請できず、大変な目に遭いました。
もし、なるべく大きな現金を持ち歩きたくないなら、デビットカードがおすすめ。クレジットカードよりも海外手数料が安いカードを用意し、日本にいる間にチャージしておくといいです。自分の周りだとwiseのデジタルカードを使ってる人が多かった気がします。
ここからはドイツで旅行するときに役立つ(?)情報を載せていきます。まず、ドイチュラントチケット(以下、Dチケットと呼称)は買った方がいいと思います。Dチケットは月額63€(大体1万千円)で路線バス、路面電車、地下鉄(Uバーン)、Sバーン、快速・普通列車(RE、RB)が乗り放題になるというチケットです。ただし特急や高速列車のICE、IC、ECは対象外です。これ何故買った方が良いかというと、都市中心部から離れた城へ行くときに、かなり重宝するからです。例えば、ノイシュバンシュタイン城へミュンヘンから行くには、まずフュッセンという町へ行かなくてはなりません。どんなに安い行き方を選んでも、往復で7000円近くかかります。当然、ノイシュバンシュタイン城にしか行かないわけではありませんでしょうから、移動費はもっと高くなります。そうなると、一々切符を買うよりも、定額乗り放題の方がお得になるわけです。もちろん、一つの都市からあまり動かない場合は買わなくてもいいと思いますが、もし郊外へ行く予定があるなら、買っておいて損はありません。
次に、入れておくと良いアプリを紹介します。DBnavigatorです。

このアプリはDB(ドイツ国鉄)の公式アプリで、英語版とドイツ語版があります。日本語版がないのが玉に瑕ですが、使い勝手がとてもいい。日本の乗り換え案内アプリとほぼ同じなのですが、このアプリの優れてるところは、検索オプションが充実している点にあります。何より、Dチケットの効力がある交通機関だけに絞って検索することができるのがいいポイントです。

そして、実際の移動に入ると、何番ホームから電車が出るのか、何番ホームに到着予定なのかまで示してくれます。また、リアルタイムで遅延や代替交通手段も提案してくれるので、入れておくと良いです。

一つ欠点を上げるとすれば、地図の精度が低いこと。ドイツだと電車の代わりに代替交通手段のバスが出ることがよくあります。その際、バス停をDBアプリの地図を頼りに探しに行くと、結構離れたところに飛ばされます。特に、大きな駅だとバス停がいくつもあるので、間違えると旅程が狂いかねません。バスを使用する際は、バス停の表示を確認し、運転手さんに確認しましょう。皆さん優しいので、親切に教えてくれるはずです。
一応もう一つ紹介しておきます。omioというアプリなのですが、こちらには日本語版も存在します。

UIがDBナビよりも洗練されています。何より直感的でわかりやすい。それに、複数の交通機関を横断して検索・比較ができるというのがDBナビとの違いです。しかし、大きな欠点があり、それは手数料が取られるということ。自分はICEのチケットをomioで買ったのですが、大体1000円近く手数料が取られました。DBナビからでもICEのチケットは買えます。今振り返ってみると、ドイツ国内の移動だけなら、DBナビで直接買った方が安かったと思います。もし、陸路で第三国(チェコとかオーストリア)へいくなら、omioは良い選択肢になりえると思います。
続いて、水は飲めるのかどうかや治安について触れていきます。結論から言えば、水道水は飲めますし、治安は地域によるとしか言えません。ドイツの水は硬水なので、おなかを壊す人はいるかもしれませんが、絶対に飲めないわけではありません。毎日水道水をペットボトルに入れて持ち歩いていましたが、体調に影響はありませんでした。ペットボトルや瓶はデポジット制みたいな感じで、スーパーにおいてある機械に空のペットボトルを入れると、レシートみたいなのが出てきて、それを持っていくと、50円分くらい返ってきます。旅の終わりに交換すると良いです。治安は良い方だと思います。もちろん、大きな駅の近くなどはよくないことが往々にしてありますが、幸いなことにスリやひったくりには遭いませんでした。もちろん、用心するに越したことはありません。
ここからはドイツの史跡をメインに話していきたいと思います。まず大前提として、多くのドイツの都市にはalt stadtと呼ばれる旧市街地が多く残されています。石畳の上にオレンジ色の屋根の建物がいっぱいあり、古い教会と広場がある多くの人が想像する”ドイツ”があります。

欧州になじみのない日本人からすると、旧市街地を見て回るだけでも楽しいです。こんな具合で、城や教会も日本と比べ物にならないほど多くあるので、時間がいくらあっても足りないくらいです。自分が見て回った城・教会を中心に紹介したいと思います。

一つ目はリヒテンシュタイン城です。断崖絶壁に聳えるこの城は、まるで絵本の中から飛び出てきたような装いです(何か崖のすぐそばの城ってロマンありません?)。現在の城は1903年に完成したものになります。山頂にあるため、城へ行くためには山を登らなくてはいけません。リヒテンシュタイン城近くまで行くバスが二種類ありまして。これは多分自分の行き方が悪かったせいなのですが、7606系列のバスで行くと、城から見て南東側のバス停からかなり急な山道を3~40分歩く羽目になります。

城への道は舗装されておらず、木々と下草が少ない方を歩いていくみたいな感じです。しかも夏場だったので、とんでもなく暑い。滝のように汗が出る。ドイツの気候が涼しいといっても、体に堪えます。一応城の目の前まで舗装された道があり、すぐ近くに7635系列のバスもありますので、歩くのが大変な方はそっちのバスを使った方が良いと思いますが、この7635系列は時期によっては走ってないらしいので、十分に確認したうえで、行くようにしてください。また、城の中へ入れる季節も限られていますので、事前にチェックしてから行きましょう。色々長くなりましたが、炎天下の中歩いて向かうだけの価値は十分にあると思います。戦争によって受けた被害もそのまま残しているのがとても良い。後述する城と比べて小さめではありますが、有り余る魅力を持つ城です。

次に紹介する城はノイシュバンシュタイン城です。ドイツと言ったらみたいな感じありますよね。某幕張の遊園地にある城のモデルにもなりました。バイエルン州のかなり南側、オーストリアとの国境部すぐ近くにあります。バイエルン国王ルートヴィヒ二世によって建てられたこの城はまさに西洋を象徴する城だと言っても過言ではないでしょう。なお、この城は中世に建てられた訳ではなく、19世紀に当時最新の技術を用いて建てられました。ノイシュバンシュタイン城について書き始めるとこの記事の長さがえらいことになるので、この辺に留めておきます。城の中はまさに豪華絢爛という言葉がピッタリです。ワーグナーに影響を受け設計された部屋は見ごたえ抜群でした。しかし、城の大きさの割に見て回れる部屋の数はあまり多くないのが欠点です。さて、肝心な行き方についてですが、割と大変です。一番近くの鉄道駅がフュッセン駅なのですが、大体1時間に一本しか電車が来ません。ミュンヘンからrb68に乗れば一本で行けるので、事前に時間を確認して向かうことをお勧めします。また、フュッセンに着いたからと言って安心してはいけません。フュッセンからノイシュバンシュタイン城のある麓の集落までバスで向かう必要があります。ノイシュバンシュタイン城は事前予約制で、時間に遅れると入ることができません。そのため、電車とバスの時間から逆算してチケットを買うようにしましょう。ちなみに、麓の集落から城までそれなりに遠いので気を付けてください。

少し脱線しますが、このフュッセンの周辺にはバイエルン王博物館やホーエンシュヴァンガウ城など、多くの観光地があります。バイエルン王博物館は日本語の音声解説もあるので、歴史好きの皆様には是非お勧めしたいスポットです。

次に紹介する城はメーアスブルグ城です。実は同じ名前の城が二つありまして、自分が行ったのは古い方だけです。新しい方は18世紀に建てられたそうです。二つの城は近い距離にあるので時間が許すのなら、両方とも行くのがいいです。古い方はまさに中世の頃の面影を残しています。中は博物館のようになっており、中世の城の構造や騎士たちの普段の生活を垣間見ることができます。

武器や甲冑が多く飾られており、とても見ごたえがあります。中世騎士に興味がある方は絶対に行って損はないです。また、この城の近くにはツェッペリン飛行船の博物館もあり、そちらもお勧め。

日本にツェッペリン飛行船が寄港したときのはがきなども展示されていました。ドイツにしては珍しく日本語のパンフレットもあるので、比較的入りやすいと思います。

最後に紹介するのはハイデルベルク城です。この城は先に紹介した城とは大きく異なっています。あれらは再建されたりしたものの、全て建物としての原型をとどめていました。しかし、この城は多くのが破壊され廃墟になっているのです。

ここからハイデルベルク城の歴史を書くと、あまりにも長くなってしまいますので、割愛させていただきますが、まさに歴史の生き証人というにふさわしい城です。これは個人的な感想ですが、今までの資料館的な城というよりは、公園やテーマパークという方がふさわしいです。一応世界最大級の巨大なワイン樽や薬事博物館など見どころも多いですが、城本体よりは周りの市街地や橋、大学の方が見ごたえがあると言えるでしょう。最寄りの路面電車の駅から少し坂を登るので覚悟した方がいいかも。城下に広がる旧市街地は歩くだけで楽しいので、あえて徒歩で行くのもいいと思います。
さて、続いては教会・宮殿を紹介したいと思います。なにせ数が多いので、紹介がかなり適当ですが、ご容赦ください。

最初に紹介するのはミュンヘンにあるニンフェンブルク城です。ドイツ語のSchlossは基本城と訳されますが、貴族が豪華に過ごすための宮殿・邸宅といった意味も含まれます。軍事要塞としての城はBurgです。ニンフェンブルク城Schloss Nymphenburgですので、城と付いていますが、宮殿という方が正しい気がします(それを言い出すとノイシュバンシュタイン城も宮殿になってしまうのですが)。自分自身はそこまで西洋の建築様式について詳しくはないのですが、左右対称のロココ様式とバロック様式に巨大な窓、豪華なフレスコ画が描かれた大広間などバイエルン選帝侯の権勢を誇示するための作りをしています。

豪華絢爛という言葉を体現しているようです。これでもまだ夏の離宮(避暑地)であったというのですから驚きです。実際に行ってみるとその大きさに圧倒されます。とにかく庭園が広い。

城の敷地に入ってから10分くらい歩いてようやく建物に辿り着くくらい距離があります。ミュンヘン中央駅から路面電車で行くのがおすすめです。
続いて紹介する教会もミュンヘンにあります。ミュンヘンのシンボルと言っても過言ではないフラウエン教会です。

日本語に訳すとしたら聖母教会でしょうか。特徴的な丸いドームが付いた塔が二本あります。実は二つの塔で高さが違うんだとか。一応この塔の中は登れるようになっているのですが、かなり待たなくてはいけません。自分は観光に割ける時間がなかったので、登ることができませんでした。内部は意外と質素。大きさの割に派手さはない印象です。また、フラウエン教会には悪魔の足跡と呼ばれる跡があります。

なんとそこに立って見ると窓が一つも見えなくなります。窓が全て綺麗に支柱に隠れてしまうからです。

内部にはヴィッテルスバッハ家出身の最初の神聖ローマ皇帝であるルートヴィヒ四世の記念廟もあります。ミュンヘン中央駅のすぐ近くでアクセス抜群ですので、ミュンヘンへ行くなら、是非とも訪れたいスポットです。

次に紹介するのはミュンヘン・レジデンツです。旧バイエルン王国ヴィッテルスバッハ王家の王宮になります。ドイツで一番見ごたえがある宮殿かもしれないです。まず圧倒的に大きい。中が博物館になっているのですが、全て回りきるには時間がいくらあっても足りません。建物自体も美しいのですが、博物館の収蔵品も素晴らしい。特に驚いたのは日本の焼き物が展示されていることです。ここまで来て日本の陶磁器を見るとは思ってもいませんでした。黄金に輝く王家の剣や王冠はそうそうお目にかかれるものではありません。

ダイヤモンドや金銀をふんだんに使った華やかな展示品を是非ともご覧ください。ミュンヘン中央駅から歩いて20分くらいの所にあります。地下鉄でも行けますので、お好きな方をお選びください。少しチケット売り場が分かりにくいところにあるので、確認しておくとよいでしょう。また、手荷物を全て預けないといけないので貴重品、特にスマホは手に持っておくと良いです。写真が撮れないとせっかくの旅行の思い出が残せないですしね。

近くにミュンヘン新市庁舎もあります。こちらも有名な観光地です。
次に紹介するのは最初のaltstadtの写真にも写っていたハイデルベルクの聖霊教会です。

1398年から1515年にかけて約100年以上を費やして建設されたゴシック様式の教会です。ドイツの教会の多くは白い石で作られている気がするのですが、この教会は赤砂岩でできています。こちらの教会も塔に登れるようになっているのですが、時間がなくて登れませんでした。また、この教会かなり珍しい歴史を持っています。というのも、かつて宗教改革の時期にカトリックとプロテスタントの間で帰属が変わり、一時は双方の宗派が同時に礼拝を行えるように、教会内部を200年近く、壁で二つに仕切りしていたのです。内部を見てもそんな歴史があったとはとても思えません。歴史を知ってるのと知らないのとでは大きく印象が変わってきます。教会周辺には土産屋などが常に並んでおり、とても賑わっています。ハイデルベルクのランドマークへ是非行ってみてはいかがでしょう。

最後に紹介するのはコンスタンツのにある聖母マリア聖堂です。ボーデン湖周辺には”聖母マリア聖堂”が多くあります。その中でも自分が行ったコンスタンツの教会はコンスタンツ公会議(1414〜1418年)の会場にもなりました。ロマネスク様式とゴシック様式が融合した美しい建築です。塔も登ることができ、頂上からはコンスタンツの旧市街とボーデン湖が見渡せます。

塔に登るにはお金を払わないといけないので、ご注意ください。
いかがでしたでしょうか。かなり適当な紹介になってしまいました。本当はもっと色々と書きたいことがあったのですが、締め切りと分量の都合でここまでしか書けませんでした。本当にすいません。私は西洋史に詳しくありませんが、今回ドイツへ行くにあたって、ある程度の歴史や建物の成り立ちを調べて臨みました。その上で確信したことがあります。それは歴史上の言葉だけを覚えても意味がないということです。例えば、コンスタンツ公会議という言葉を知っても、それの歴史的意義や背景を知らなくては面白さは半減してしまいます。そうそう海外、特にヨーロッパへ行く機会はないですから、折角行くなら事前の予習はしっかりとしたうえで臨みたいと思いました。最後に、全ての建物言えることですが、修復工事などを行っているため、見に行っても美しい建築が見えない可能性があります。事前確認は怠らないようにしましょう。もしこの記事に辿り着いたドイツへ行くことを考えている人のお力に成れたのならば、幸いです。そして、本当に更新が遅くなってしまい申し訳ありませんでした…。夏合宿の記事も近いうちに投稿したいと思っておりますので、これからも史学研究会をよろしくお願いします。それではまた次の記事でお会いしましょう。

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