残暑が厳しくなってまいりました。皆さまお体は平気ですか?巷じゃコロナが流行ってるそうですが、まだまだコロナや暑さに負けないよう頑張っていきましょう!さて、この季節に近づきますと、テレビで多くなるニュースといえば、当然戦争関連のニュース。特に今年は戦後80年という節目の年ですから、より扱う機会が多くなるのも当然でしょう。そして、戦争系の映画も大体このくらいの時期に公開されることが多いです。というわけで、前置きが長くなりましたが、今週は終戦記念日に公開された映画「雪風 YUKIKAZE」のレビューをします。映画という物語・ストーリーとしての面白さと歴史的な正しさの両立という歴史学、歴史叙述に深いかかわりのあるとっても史学研究会らしい記事です!
まず、自分のような素人で的確に物事を表現する語彙力がない人間の批評ですので、あまりあてにしないでください。まずはいいところから書いていきます。一つ目の良かったところはテーマが一貫しているところです。”人命救助”というテーマで終始描かれていて戦争映画に苦手意識がある人でも抵抗なく見られる作品だと思います。また、ただ人を助けるシーンだけではなく、共に戦っていた仲間がいきなり死んでしまうシーンもあり、戦争の恐ろしさとむごさを表現できている思いました。二つ目は”雪風”という駆逐艦を世間に認知させる存在として役に立っている点です。映画の内容と関係ないかもしれないですが、一般の人に雪風の存在を知ってもらうことは戦後80年経とうとする日本において大事なことだと思いました。
続いてよくない点ですが、人命救助をテーマとしておきながらその肝心の助けるアングルがあまりにもワンパターンすぎたことが挙げられます。最大の見せ場のはずなのにそんな見せ方で良かったのかと疑問です。あとこれが全てですが、あまりにも史実に即していなさすぎるのが本当に残念でした。どの艦が撃った砲弾・魚雷でどの艦が沈んだかくらいはせめて史実通りにしてほしかったと言わざるを得ません。自分は”戦争映画”としてこの映画を見に行ったこともあり、そこの落差に耐えられませんでした。第二次世界大戦に詳しくなく、戦争映画に抵抗のある人にはこのあたりの問題は発生しないでしょうから、見る人を選ぶと言えます。
最後に、この作品のテーマである”人命救助”と歴史的な正しさの両立について触れて終わりたいと思います。先ほども書きましたが、この映画が史実を忠実に再現しているとは言い難いです。だからといって面白くないというわけではありません。しかし、そこの歴史の正しさの部分を削ってまで作り出したテーマを十分に活かせていたといえば嘘になります。しかも、一番大事な人命救助のシーンは面白みがなく、何度も見させられ飽きてくる。この歴史的な正しさと物語としての面白さを両立できる先品こそが、面白い歴史モノといえるのではないでしょうか。
いかがでしたか。もしこの感想を読んで、見に行きたいと思ったら、是非映画館へ行ってみてください。ではまた次の記事でお会いしましょう。以上、佐々木信綱でした。